吊り込み作業(2)
まずは、木型の中心にアッパーを仮止めします。これが右や左にズレるといびつな形になるので、慎重に行わなければなりません。踵の上の方の針穴が見えないような位置に仮止めの釘を打ちます。吊り込みのスタートになる、重要なポイントなので、マスターに打ってもらいます。(テヘヘ 😋)
固定できたら、いよいよ、吊り込み作業の開始です。
吊り込みというのは、木型に固定したアッパーを中底に固定する作業です。
具体的には、①ライナーと表革をワニで挟んで引っ張る ②引っ張ったところを押さえて、木型の底の部分に沿って、ワニのハンマーの部分で叩く ③引っ張り戻されないよう釘を木型に打ち付けて革を止める という作業を繰り返します。
一方向からだけ吊り込むと、右や左に寄ってしまうので、左右バランスよく行います。
と言うと簡単なようですが、まず、どれくらいの力で引っ張れば良いのか分からない。更には、どうなったら良いのか分からない。同じく、どうなったらダメなのかも分からない。
と言うことで、ポイントをマスターに聞きました。
①アッパーが変な感じで突っ張ってたり、緩んでたり(押してみるとふわふわしてる)してたら引っ張りに過不足がある
②アッパーを押してみてデコボコしているようであればインナーがたるんでる
③アッパーに変なシワがよるようであれば、引っ張る方向を変える
分ったような分からんような…とにかくやってみよう。
まずは踵から。そして土踏まずのあたりの左右に釘を打ちます。最初はライナーだけ引っ張って、次に表革と一緒に、ぎゅう〜っと。ワニでトントントンと革を叩いて釘をコンコンコンと打つ。出来た!
打った釘と釘の中間を引っ張って、また釘を打つ。だんだんらしくなってきた。
釘を打つ度に釘と釘の間隔がだんだん狭くなり、吊り込まれてる感が出てきます。お〜、いい感じ。靴屋さんらしい作業になってきたぞ。
どれどれ、ひっくり返して表を見てみると、ん〜?
何だかへん!? マスター!ヘルプ!
(続く)