「靴と革の日々」 by 靴屋の小人

靴屋の小人が一生懸命靴作りとレザクラをするお話です

吊り込み作業(1)

来た〜!って感じです。

 

工房に行くと、マスターから「今日は吊り込みですね。」といきなり先制攻撃。

自然と気合いが入ります。

 

道具としては、ワニと釘抜き。それに釘。

(ワニの使い方については、工房のブログを見て下さい。https://www.risette-shoe.com/blog-1/工房の設備について-ワニ編)

 

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とにかく、この「ワニ」は、吊り込みのために作られたといっても過言ではない優れものの道具です(吊り込みのための道具なんだから当たり前だろ〜!)。

 

まずは、木型に中敷をボンドで貼り付けます。といっても後で外さないといけないので、一番接着力の弱いボンドを使います。木型からはみ出る部分については、革包丁で切り取りますが、足らない部分については、後から足すことは出来ないので、ずれないように慎重に貼り付けます。貼り付けたら釘を打って仮止めします。

 

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はみ出たところを革包丁で削いで行きます。スパーッと、綺麗な切り口にしたかったのですが、ちょっとギザギザ (-。-;

「普通の革靴と違ってスニーカーの中底は薄いので難しいんです。」とマスターが慰めてくれました。

 

続いて、木型にアッパーをかぶせて、ライナーと表革との間、かかとの部分に補強用の芯を入れます。

そして、固定するためにボンドを薄く塗ります。ボンドも接着用と補強用の二種類を使います。問題は、これらのボンドは1時間半程で固まってしまうということでして。

ということは、それまでに吊り込まないとゲームオーバー? ふわん、ふわん、ふわわ〜ん。

 

え〜〜!

 

想定外のプレッシャーに立ちすくむ靴屋の小人でした。

 

と、泣き言を言っていても仕方がない。とにかくやるのじゃ〜!

 

(続く)