「靴と革の日々」 by 靴屋の小人

靴屋の小人が一生懸命靴作りとレザクラをするお話です

靴底貼り合わせ準備

 

さて、吊り込み作業が終わったところで、靴底とアッパーとを貼り合わせることになるのですが、その前に吊り込んだ部分の処理をして平坦にする必要があります。

 

まずは、中底、ライナー、表革のそれぞれの間で、隙間がある所にゴム糊を塗ります。その後、吊り込みに使った釘を抜きます。吊り込んだ後、数日経っているので、釘を抜いても元には戻りません。釘を抜いたら、釘が邪魔をして塗れなかったところにもゴム糊を塗ります。ゴム糊を塗り終えたら、ハンマーでコンコンと叩いてあげて固めます。

 

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ヤマアラシのように釘が刺さっていた状態から比べて、より一層靴らしさが出てきました (^-^)

皮の厚さ分、周囲より真ん中の方が低くなりますので、高さ合わせのために一枚皮を貼ってから底を貼り付けます。そのための型紙も作りました。周辺の波打っている部分については、ある程度包丁でカットしてからグラインダーで削って均一にします。

 

実は、このグラインダーで削る作業が、ゴール直前で気を抜いていた僕にとって想定外の難関になりました。

 

銀面にボンドをつけても、すぐに剥がれてしまいますので、表面をザラザラにしなければなりません。グラインダーで削るのは、平坦にするのと同時に、そのような意味もあるのです。

 

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気をつけないといけないのは、表に見えるところを削ってはダメだということです。(当たり前ですが)

 

高速で回転するグラインダーの力は意外と強く、しっかりとホールドしていないと、手が持って行かれそうになります。また、初めての事なので、靴をどの様にに近づければ、どう削れるかが全く分からず、マスターのお手本を見ながら、見よう見まねでちょっとずつ削って行きます。

 

これはむちゃくちゃ緊張する作業です。一瞬にして今までの苦労が水の泡になるかもしれないのですから。

 

で、超緊張しながら出来たのがこれです。

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最後の最後は、紙やすりでシコシコと手作業で削りました。 (^◇^;)