「靴と革の日々」 by 靴屋の小人

靴屋の小人が一生懸命靴作りとレザクラをするお話です

吊り込みです!

2週間ほどお休みしていたので久し振りです (^-^)

 

待ちに待った吊り込みです。「靴を作っているなぁ」と、最も実感する工程です。

 

吊り込みの前に、かかと芯とさき芯の吊り込む時に大きくカーブする部分に切り込みを入れます。芯は、水に浸して柔らかくしてから、ライニングとアッパーの間に入れて、いよいよ吊り込みの開始です。

 

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踵の方から始めます。先ずはライニングをワニで引っ張って、次にアッパーを引っ張って、サイドから底の角になってる所を軽く叩いて、革をしっかり押さえて釘を打ちます。時々指も打ちます。痛いです(^◇^;)

ワニの四角く出っ張ってる部分をテコの支点にして、ワニの口で革を掴んで引っ張ります。

 

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先ずは踵から。

ライニングは柔らかい豚革なので、そぉ〜っと引っ張ります。ブチって行かないように。ライニングを引っ張ったら次はアッパーです。

踵の先から左右順番に引っ張って叩いては釘を打っていきますが、革に変なシワが寄らないよう、木型との間に空間が出来ないよう、踵の中心点に向かって吊り込んでいきます。

 

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踵の次は爪先です。爪先も踵と同じように先から左右に振っていきます。

 

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革にしわが寄らないよう綺麗なヒダを作りながら均等に吊り込んでいきます。どうしても変なしわがよる場合は、打った釘を抜いてもう一度やり直します。

 

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で、悪戦苦闘の結果、出来上がったのがコレ。

 

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ヌメ革でコシがあるため難儀しましたが、何とか出来上がりました。

(うまく行かないところを半分くらいマスターに手伝ってもらったのはナイショです)

 

ちなみにコードバンで靴を作るときは、とっても大変なんだそうです😊

 

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カンヌキのところをもう少し後退させ、トゥの部分が気持ち大きくなるイメージだったのですが、少し想定とは異なりました。

せっかくグラデーションをかけてトゥを染めたのに、ほとんど見えなくなってしまったのは残念です。

 

少し寝かせて型を付けた後、底付とサイドのテープ巻きで完成です。

今月中には出来るかな(^-^)