革漉き(3)
(…再び続いて)
恐る恐る裏側を見た。
漉いた部分はまだらになっていた。漉けている部分と漉けていない部分が混じり合っているのである。なんで~?
マスター曰く、革が上手く送れていないんですよね。
つまり、厚い革だと革自体がしっかりしているので、機械の勢いに任せるだけで良いのですが、革が柔らかいと送りの勢いが相対的に強くなるので、少し右手の方で引っ張り加減で送ってやらないと刃に当たる部分でたるんでしまい、革が波打ってしまう様です。
これは難しい! 理屈が分かっても、思う様にはいきません。もう一度漉き機に通すと、薄くなりすぎるリスクがあり、また、カーブではどんなことが起こるか想定出来ません。(先ほどのところは、まだ直線部分だったのです。)
手で漉いてみますか、時間がかかるけど。
ということで、残りの部分は手漉きにしました。これはこれで経験値が上がり、修行としてはやり甲斐がある、と思う反面、出来るかなぁ、と不安混じり。
でもとにかくやってみよう、と始めました。
とりあえずは、表側の厚い革の修正からトライします。
革包丁を革と並行に構え、角度をつけて横に滑らせる様に漉いて行きます。上手く行くと包丁が革に吸い込まれる様にスーッと入っていき、刃が当たっているところから革が鰹節の様に漉き取られていきます。上手く刃が当たらないと革の上を擦るだけで、せいぜいこそぎ取る様な具合になります。これは良くありません。
5回のうち1回は上手く行く様になり、1回が2回、2回が3回と、少しづつスムーズに行く様になりました。
よしっ!この勢いで内側の薄い皮も、と張り切ってやったところ、全然上手くいきません。薄いのと柔らかいのとで、さっきとは勝手が違います。さっきの様に刃が革に食い込んでいかないのです。本当に刃が立たないとはこのこと(なんて言っている場合ではありません)。
そんなに力を入れなくても大丈夫ですよ。あまり力を入れて革を引っ張ると伸びちゃいますから、とのマスターのお言葉。
そうは言っても、上手くいかないんだから…ブツブツ…
何とかかんとか必死でやった結果がコレです↓↓↓
上手くできたかどうかは、次の工程の結果次第ということで、革漉き完了です!
お疲れ様でした (^-^)